すごい画像、、
これは築６年未満ながら結露から起因するカビや菌によって関東に建った家が大変なことになっているという国土交通省 国総研 建築研究部が今月頭に公表した画像です。

あらためまして、
岩出市、和歌山市、紀の川市で注文住宅を建てていますエコロジーレーベル｜如月建設 スタッフです。
結露の問題についに国が動き始めたようです。

令和４年１０月１日断熱等級6，7が新設されました。
実はこの裏で国土交通省から各性能評価機関に向けて結露の発生を防止する対策が強化されたことはあまり知られていないかもしれません。

つまり、
高断熱化は結露リスクが高まるので、より結露の発生に注意する必要性が上がったともいえるのです。

しかし、今回のガイドラインは住宅性能評価のことで、

1.ZEHには関係ない
2.建築基準法において規定がない
など

結露に関する法整備はかなり遅れています。

今からお家づくりをお考えの方は高気密高断熱が当たり前になっていますが、この結露に対しての対策された建築会社さんなのか確認するようにしましょう。
定常計算でも良いので、結露計算を行っている会社にしないと大変なことになってしまうかもしれません。

断熱等性能等級における結露の発生を防止する対策に係る
内部結露計算等の取扱いについて
（国土交通省住宅局住宅生産課）
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/content/001492062.pdf

松尾先生の「○○だから内部結露しません」という工務店が実は危ない

「ホントは安いエコハウス」
「あたらしい家づくりの教科書」（共著）
「5人の先生が教える一生幸せなエコハウスのつくりかた」（共著）
「これからのリノベーション・断熱気密編」（共著）
などを書かれている松尾設計事務所の松尾先生の動画です。

上記の動画では計算もせずに、各メーカーさんのうたい文句のまま皆様に大丈夫と言う会社は信用できないという動画。
定常計算のグラフを見ながら、解説されています。
まさにその通りと言う内容です。

湿り空気線図

上記の断熱等性能等級における結露の発生を防止する対策に係る内部結露計算等の取扱いについて、国土交通省住宅局住宅生産課は上記のように条件を変更しました。

湿り空気線図
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B9%BF%E3%82%8A%E7%A9%BA%E6%B0%97%E7%B7%9A%E5%9B%B3

とは言え、ほんの少しだけしか規定が厳しくなっていないことがわかりますね。
でも平成13年以来の改定です。２０年以上変わっていなかったことが少し改善したと言えます。

小さな前進、、小さすぎるわ！！

と小さく突っ込ませてください。

如月建設はWUFI-非定常熱湿気同時移動解析プログラム

非定常熱湿気同時移動解析プログラムからすると定常計算は簡易的な計算とも言えます。
より複雑で各地域の気象状況化での複数年で解析することができ、最適な壁構成を導き出すことができます。

上記は結露だけでなく木材（合板）の日ごとの含水率を調べたシミュレーションしたデータです。

グラフの赤い細い線を越えるとカビや菌が発生する可能性が出てしまうラインで、左のグラフの青い線が冬１５%まで上昇していることがわかります。
換気回数が少ないと危ないかもしれないことをシミュレーションされています。
WUFIに関してはちょくちょく解説しているので、ここではこれだけ、

地域ごとに最適化したお家を建てるが大事

このソフトを使っている工務店は少ないです。
ソフトの知識を深めるための勉強会に参加すると大学教授や有名な設計事務所などが来られていました。

肩身の狭い中で勉強したかいがあり、いまでは全国の工務店さんから定常計算では計算できないケースの相談を受けることもあるようになってきました。

そこで気づいたのですが、和歌山では大丈夫な場合でも、違う地域では気候の違いでダメなことがあります。地域ごとの気象状況で同じ仕様ではダメなようです。
（ハウスメーカーさんが仕様統一されてますが、、大丈夫なのでしょうか？シミュレーション上、心配になったりしますが、ここではこの辺で。）

断熱等級など変化が大きい昨今において、経験に頼ることはマズいかもしれません。
シミュレーションや計算を行い、地域ごとに最適化すること。

長く暮らすお家だからこそ、
後でリフォームしにくい場所だからこそ、失敗できない結露の問題。
しっかりと対応したお家をお考え下さい。