岩出市、和歌山市、橋本市を中心に注文住宅・性能向上リノベをおこなっていますエコロジーレーベル|如月建設のスタッフです。
先日ネパールでマグニチュード6.4と推定される大きな地震がありました。2015年に起きたマグニチュード7.8の余震でしょうか、現地では多くの死亡と建物の倒壊が起きてしまったそうです。
午前3時ごろと皆が寝ている時間に起きてしまった地震ということもあり、その被害は大きいそうです。
被害にあわれた方、被害にあわれた方のご親戚、知人の皆様心よりお見舞い申し上げます。
そして、そんな大きな地震は明日は我が身かもしれない。と考えさせられてしまいました。
今一度、防災グッズの確認とともに家族と連絡方法の確認をしておいてあげてください。
さて、ネットなどでネパールの倒壊した建物を見てみるとブロック積みのお家が多く、耐震性能はあまり高くなかったのかもしれません。山岳地帯で建材となる木材があまり多くないと言うこともあるのかもしれません。
倒壊原因はホゾが抜ける『ホゾ抜け』
2000年5月(平成12年)以前の木造住宅は、土台と柱が繋がる部分の基準がなく、地震力が
かかった時に柱が抜け(ホゾ抜け)てしまい、倒壊原因でした。
通常、このホゾは震度5程度までの地震では衝撃が吸収され、抜けることはありません。しかし、それより大きい地震や強い直下型の地震が来ると、下から突き上げられて抜けてしまう可能性があります。
そのため、2000年以降、ホゾが抜けないようにホールダウン金物の設置が義務付けられました。しかし、補強されたはずの建物でも、2000年基準に適合していてもホゾ抜けが起きる事例がありました(下の画像は耐震等級2のものです。如月建設は許容応力度計算による耐震等級3で、ホールダウン金物も補強されています。)
以下URL日経ビルダーより引用
「2000年基準」も3~4割大被害、筋かい破断など多発
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO02757460V20C16A5000000/
新耐震住宅なぜ倒壊(2)現行基準の問題点
https://xtech.nikkei.com/kn/atcl/bldnews/15/082200838/
長ホゾでホゾ抜けさせないことで地震に強くなる。
一般的にホゾは短ホゾのものが採用されていることが多いですが、
エコロジーレーベル|如月建設では長ホゾを採用しています。
筋交い金具やホールダウン金物などがつくのですが、金物をつけていない段階でも安定感は全然違います。
短ホゾよりも長ホゾの方がグラグラしないのです。
もちろん、作業性のことを思うと長ホゾの方が大変なのですが、万が一のことを思うと、後で作業できるわけではないので、やっぱりこだわりたいですね。
以下はホゾによって変形を抑えられるか?と言った実験結果です。
短ホゾよりも長ホゾの方が強い力にも耐え変形を抑えていることがわかります。
在来軸組構法による住宅の木質接合性能
https://www.forest.rd.pref.gifu.lg.jp/pdf/kp28_02.pdf
法律以上、設計通りの強さを大工力で叶えたい。
一般的に使用される壁量計算と呼ばれる簡易的な耐震性能を表す場合は、ホゾの長さまで鑑みられることはありません。しかし、実際が耐震性能が違うのであればこだわりたいのです。
今回のように海外で大きな地震があったり、近くでも小さな地震があったときに、『うちはお家にいれば大丈夫と安心だ。』と思っていただけるためには妥協したくないと考えています。
地元和歌山で育ち、この気候風土に慣れた柱などの構造材の中でも、山長商店さんによって機械等級区分構造用製材のJAS認証に選ばれた安心できる柱など構造材を使用し、法律以上、許容応力度計算による最高等級の設計通りの強さを大工技術で実現する。
ほんとうの安心はしっかりと施工することで叶えられるものだと信じています。