岩出市、和歌山市、橋本市を中心に注文住宅・性能向上リノベーションを行っているエコロジーレーベル|如月建設のスタッフです。建物はメンテナンス費用を抑えられるよう、長寿命であるべきだと私たちは考えています。
先日、築20数年の有名ハウスメーカーが建てた家で大規模リノベーションが行われた際、壁の1/4を取り換える必要があるほど傷んでいました。放置していれば、他の構造部分も大きく腐る可能性がありました。
これは壁内の結露によるもので、外からは見えない場所で発生し、耐力壁を腐らせていました。
引用:国土交通省 国総研 建築研究部
https://www.nilim.go.jp/lab/hcg/jyutakuqa/
透湿しない面材が壁内結露を引き起こす。
冬季では室内の暖かい空気が壁内に入り、断熱材を向こう側(外気側)の面材の裏で結露がしやすくなります。
上記で紹介した黒く腐ってしまっている面材(国土交通省国土技術政策総合研究所の画像)もまさにそんな状況だったのでないかと思われます。
特に面材が透湿抵抗値が高い場合は通気層側に湿気を抜くことができず壁内結露はよりひどくなってしまいます。
湿気を通す性能を透湿抵抗値が低く、
湿気を通さない性能を透湿抵抗値が高い
構造部が痛むと耐震性も守れない
家の構造部が傷んでいた場合、耐震性が下がってしまいます。
万が一、地震が来たとき釘は抜け、構造部が壊れてしまうかもしれません。
将来にわたって安全性を守るためには木材の健康がとても重要で、その木の健全を保つためにも結露を起こさせてはいけないのです。
長寿命化への取り組み
エコロジーレーベル|如月建設の湿気コントロールには主に以下のような取り組みを行っています。
- 透湿建材で家を建てる
- 熱橋となり結露しやすい金具には一つずつ断熱
- 樹脂トリプルガラスを採用
- 湿度シミュレーション(WU-FI 非定常熱湿気同時移動解析プログラム)
透湿建材で家を建てる
透湿しにくい面材によって湿気が止められてしまい、面材の裏側で腐朽するのを避けるため、面材に透湿抵抗値が低い面材を使用しています。
また断熱材もセルロースファイバーなど結露化させにくく透湿させる断熱材を使用しています。
熱橋となり結露しやすい金具には一つずつ断熱
結露するのは面材だけではありません。
梁から伸びるボルトなど熱橋になりがちな金具を一つずつ断熱施工していきます。断熱施工を行わないと金属に結露水がつき、木の健全性を損なってしまいます。
樹脂トリプルガラスを採用
現在の新築では樹脂サッシと複合(樹脂とアルミ)サッシの2つが主流です。
エコロジーレーベル|如月建設では樹脂トリプルガラスを標準としています。
阪神淡路大震災の調査結果の際に取り付け部がアルミの場合、躯体を腐らせていたケースも多くあったとのこと。残念ながら複合サッシは取り付け部がアルミになります。
・湿度シミュレーション(WU-FI 非定常熱湿気同時移動解析プログラム)
非定常熱湿気同時移動解析プログラムを使って、建築地の気候などから湿気の量やだけでなく温度などをシミュレーションします。
組み合わせによって結露が発生するケースもありますので、これらを避けることができます。
引用 非定常熱湿気同時移動解析プログラム販売店 https://f-ei.jp
繰り返しやっている地震に
地震は繰り返しやってきます。
そしていつやってくるかわかりません。
今年入ってから能登や四国など大きな地震にも襲われています。
何十年後にもそれらの地震がこの和歌山にやってくるかもしれません。
逆に何十年と長い期間で考えれば和歌山に大きな地震が来ないこと自体が無いのかもしれない。それほどに大地震は起きているように思います。
そんなとき、家にいれば安全だと思えること。
地震が来ても心配せずにいられること。
とても重要なことなように思います。