何ごとにも表裏と言うものがありまして、
1つ良くすると1つ悪くなる。
2つ良くすると2つ悪くなる。
と言った具合に改善と言うのは改悪と表裏一体なものでありますね。
本当に改善しようとするならば、
1つ改善することで1つ生まれる改悪も良くする必要があり、
3つ改善することで新たに生まれる3つの改悪とあわせて6つも良くする努力が必要になってきます。
住宅においても同じように当てはまると思います。
高気密高断熱を進めると省エネ性や健康性は上がるものの、
悪くなってしまうものもいくつかあり、その中の一つが。
「防蟻」です。
すごく真面目な話になってしまうので、『素人落語風』な始まりにしてみました。最後にちゃんと『オチ』が付けられるのか、ぜひ最後までお読みいただけましたら幸いです。
高気密高断熱における防蟻の話
カーボンニュートラルや光熱費のことを踏まえて省エネ性能が注目され、省エネ性が叶えるために高気密高断熱が主流となってきました。
少し強引ですが、高気密高断熱を「冷蔵庫」を例えると
1.新しいがすき間のある冷蔵庫≒低気密高断熱
2.旧型だがすき間のない冷蔵庫≒高気密低断熱
3.新しく・すき間のない冷蔵庫≒高気密高断熱
昔の冷蔵庫と今の冷蔵庫では冷却性能に差があることももちろんなのですが、断熱材がすごく改良されたので、省エネ性が上がったのだそうです。
またドアパッキンが劣化し破断していると気密(すき間)が取れていない状態になって、霜が降りたり省エネ性が損なわれたりと悪いことばかり起こってしまいます。
つまり、高気密高断熱は1つ『省エネ』改善させました。
さて、問題はここからです。
薬剤による防蟻処理と高気密高断熱の家
冒頭にも書いた通り
1つ良くすると1つ悪くなるもの。
悪くなるものは、高気密高断熱によって防蟻薬剤の蒸散した農薬成分が室内へ侵入してしまいがちなるというもの。
一般的な防蟻処理
「防蟻」は薬剤による処理が一般的で、農薬にも使われている有機系薬剤(合成ピレスロイド系、ネオニコチノイド系を柱・土台・床下などに散布する処理が広く使われています。
薬剤が時間をかけて、蒸散・揮発することでその効果が発揮されます。その構造はタンスに入れる防虫よけと似ていますね。
ただ、防虫よけのその多くの有効期間は約1年
また防虫よけは害虫の幼虫の時だけを避けるようにしていて、人体への影響は少ないように作られています。
ただ「防蟻」は成虫であるシロアリを忌避させるために強力にせざる負えないため、薬剤散布中は専用のマスクをして施工されます。
そんな強い薬剤が蒸散し、少なからず室内へ侵入します。
高気密高断熱の家の「防蟻」を改善する。
室内に農薬成分がたまらないように
①すき間から逃がす低気密に戻るか(本当は高気密ではない)
②24時間換気を回し続けて室内にたまらないようにするか、
③蒸散しない防蟻処理を行うか。
この3つの改善方法に分かれます。
高気密高断熱の家と聞いたらどの方法で「防蟻」を改善しているのか聞いてみて下さい。
如月建設は蒸散しない防蟻しています。
シロアリは日本以外にもいて、2000種以上生息していると言われています。
ホウ酸による防蟻は世界的には標準となっていて日本は少し導入が遅れた感もあります。
如月建設では防蟻に蒸散しないホウ酸を使用しています。
日本で一般的に使用されている合成殺虫剤(合成ピレスロイド系、ネオニコチノイド系)は先進国で使用規制されていて、ホウ酸での防蟻処理へ乗り換えが進んでいるようです。
ホウ酸の毒性は食塩と同じ程度と言われています。
人体には無害と言えるようです。
そのため、高気密高断熱化が進んだ海外の国ほどホウ酸処理が早くから導入されていて、高気密がゆえに強い薬剤が蒸散し室内へ侵入することが問題視されているようです。
ホウ酸だけじゃない二重三重シロアリ予防対策
深刻な被害につながるイエシロアリの生息域内の和歌山県も含まれます。
二重三重と予防線を張り巡らす必要があるのですが、
この安全なホウ酸は水溶性なので、外部には施工することができません。
そのため、如月建設では人に無害な方法でシロアリを忌避させる手法を二重三重と行っております。
防蟻は新築を建てるタイミングでないとできないことも多くあり、逆にここでシロアリ予防線をしっかりはっていれば安心できると言うこと。
5年で効果が切れる薬剤に頼って、二重三重が予防線がない家はシロアリからすると鍵のかかっていない金庫のようなものかもしれません。
実は二重三重の予防線を張っている建築会社は多くないように思います。
お家づくりでは注意点かもしれませんね。
まとめ
今回本文では高気密高断熱のこと。
そして高気密高断熱を進めることで、防蟻をもう一歩進める必要がでてくることをご紹介しました。
1つ良くすると1つ悪くなる。
そして、悪くなった1つを良くする。
高気密高断熱を良くすることで防蟻が問題になってくる。
防蟻の問題を手間で解決していく必要があります。
光熱費が下がるというメリットだけを説明し、高気密高断熱をすすめて、
デメリットの改善を怠れば、悪い部分が残ってしまう。
高気密高断熱のデメリットを解決していない(妥協した)家では何が起きるのか?
ぜひ皆様もお考えいただけますと幸いです。
如月建設|エコロジーレーベルは高気密・高断熱のその先を見すえた家づくりを提供していきたいと考えています。
皆様もせっかく建てる家だからこそ、良い家を建ててあげてください。