岩出市、和歌山市、紀の川市で注文住宅を建てていますエコロジーレーベル|如月建設スタッフです。
昔のお家を利用した古民家カフェ、宿泊施設、民泊など趣を売りにした建物が再発見されて、久しく経ちましたが、まだまだその人気は健在なようです。
先日、古民家を再利用したラーメン屋さんに行ってきました。
土間で靴を脱いで、フローリングと言うより木の板を敷き詰められた通路を通り、和室に通され、壁は土壁、欄間を楽しめる空間で、でてくるのはラーメン!
「ここまで来たか!」
とラーメンと古民家の雰囲気との両方を楽しみたい方のワガママを叶えてくれるそんなお店でした。
居心地の良さはどこから?
(イメージ:ほかにもお客様いらっしゃったので、撮影はできず、、)
古民家の居心地の良さは「おばあちゃんの家」に来たようなどこか懐かしい雰囲気からきているのだと思う。
工業化される以前の時代に戻ったような、、
テンションが上がるというより緊張がとれているような、、
いつもよりラーメンの食べるスピードが遅くなっているなあと感じながら、
この居心地はどこからきているのだろう?と考えていると古民家の色々な工夫が見えてきました。
・自然素材
・色彩
・経年美化
・透湿
目に見えるもの、触れるもの、感じられるもの
組み合わさって魅力的に感じるのでしょう。
自然素材
木・土・竹・藁・石といった身近にあるもので構成されている。
古民家にあるそれらの自然素材は床や壁に使用されている。
今住んでいる家では、石油製品からつくられる木風、土風のフェイクなものでかこまれている。
古民家に使用されている自然素材が心地よく感じるのには、無意識的なところで「フェイク」に対して警戒や息苦しさを感じているかもしれないですね。
色彩
インスタなどで海外のお家などを見ていると色彩豊かな壁が多いことに気づきます。
日本も和風と呼ばれるジャンルは真っ白ばかりではなく、落ち着いたトーンでの色遣いがなされています。
選ぶときに悩んでしまう壁の色。
白を選ぶことが多いですが、実は色がある空間に包まれる方が落ち着くのかもしれませんね。
経年美化
古民家に入ると時間の経過とともに変化を起こした部分も多くみることができます。
時間が経つごとに良くなるものと言えば、
ちょうどいい色合いになってきた。
と感じることがありますよね。
参考にウッドワン画像ではわかりにくいかもですが、参考に木の経年美化。
木にも経年による美しさを感じれるものがあります。
ただ、古民家に使用されている木は真っ黒になっていたりします。
例えば、黒くなった曲がり梁など、、
ただ、これは表面的なところで、中はまだまだ若々しいもの。
メンテナンスでちょうどいい色合いにすることもできる。
木は時間と付き合いが上手な素材と言えるので、暮らしにも取り入れたいですね。
透湿を失っていった日本のお家
最初にもご紹介させていただいた木・土・竹・藁・石などの自然素材は透湿する素材です。
なので、それらでつくられる古民家も透湿していました。
透湿をすることで湿気による快適さや躯体の耐久化などがなされていました。
その後、耐震や断熱、低コストなど住宅性能を優先して、技術革新が進んでいき、1960年代に広く普及された塩化ビニールでつくられた壁紙クロスや紙と基材とシートでできた複合フローリングなど多くの住宅において取って代わっていきました。
自然素材ではできていたことが、工業化の中で失った性能「湿度コントロール」も古民家で居心地に寄与していそうです。
現代版 透湿する住宅
石油製品などの製造コストの値上がりなどでコストメリットが減っていき、次の新しい波がきているようです。
新しい技術革新によって透湿性能をもった住宅建材が普及をはじめています。例えば、マスクの不織布のように透湿できる壁紙や水は通さないが湿気は通すルーフィングシートや構造用面材。
年々新商品が発表されています。
エコロジーレーベル|如月建設では、そんな古くも新しい技術を住宅に取り入れた「透湿住宅」を推奨しています。
透湿は耐用年数にも大きな差が起きる。
古民家とは建築確認という制度ができる前の昭和25年以前(1950年)の建物のことを言います。
もっとも新しい古民家でも70年以上も経っていても、メンテナンスをなされている古民家はまだまだ凛としています。
1960年以降に建った住宅の方が先に壊されてしまっているようにも思われます。
実は「透湿」といった性能が壁の中などから湿気を吐き出し、たまらないようにすることで耐久性がはるかに伸びていたことは十分に考えられます。
(1000年を超える寺社仏閣はちょっと別次元ですが、、)
エコロジーレーベル|如月建設は本気で100年建っていてほしい。
年月が経ってもその安全性を疑問に持たない家を提供したいと考えています。
延びてしまわない程度にゆっくりラーメンをすすりながら、、
きょろきょろと古民家のリノベ―ションの仕上げをチェックしながら、
改めて良い家を提供し続ける意味を考えさせられました。
ごちそうさまでした。