岩出市、和歌山市、橋本市を中心に注文住宅や性能向上リノベーションを手掛けるエコロジーレーベル|如月建設のスタッフです。
2025年4月、建築基準法が改正され、「46条壁量規定」が変更されることで、耐震基準が見直されます。この改正によって、建物の耐震性を高めるために壁や柱の量が現行基準よりも増えることが想定されています。
改正の背景
今回改正の背景には、熊本地震での長期優良住宅の倒壊事例があるのではと言われています。
壁量計算で耐震等級2の認定を受けた築浅の住宅が倒壊したことが問題視されました。その後多くの検証を受けて令和4年10月1日より長期優良住宅の基準が改正されました。
長期優良住宅制度、改正後の基準では、壁量計算の場合は耐震等級3以上、許容応力度計算(構造計算)の場合は耐震等級2以上が求められるようになっています。
国土交通省資料 一部引用
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/content/001750682.pdf
このように、壁量計算と構造計算(許容応力度計算)では耐震等級に差があることが明らかになり、より精密な計算が可能な構造計算が推奨されています。そして2025年4月には、建築基準法の壁量計算規定「46条壁量規定」の改正により、この差を是正しようとしています。
壁量計算と構造計算の違い
壁量計算は基礎的な耐震性を確保するための計算ですが、構造計算(許容応力度計算)はより精密な計算を行い、高い耐震性能を確保します。
例えば、構造計算では以下のような項目が追加で検討されます:
水平構面
地震力や風圧力などの水平力を耐力壁に伝達するための面の検討。
柱の座屈
細い柱が圧縮力で変形しないよう、拘束方法の検討。
横架材・基礎の検討
建物全体の構造の安定性を確保するための計算。
これらの検討が加わることで、構造計算ではより安全性が高まる設計が可能になります。壁量計算は一部しか検討していないことがわかります。
実際の耐震性能の差
耐震性能の差はシミュレーションでも明らかです。
熊本地震と同様の地震波をシミュレーションした結果、壁量計算の耐震等級2や3と、構造計算による耐震等級の間には明確な差が見られました。
実際、壁量計算で耐震等級3とされる住宅よりも、構造計算で耐震等級2以上の住宅の方が実際の耐震性能が優れているケースもあります。
耐震性の高い家を選ぶメリット
耐震性の高い家は、大地震が発生しても損傷が軽微で済む可能性が高く、修復を行えばそのまま住み続けることができます。
特に耐震等級3相当の家であれば、安心して生活を続けられる耐久性を備えています。このような家は、修復費用を抑えられるため経済的にも負担が軽減され、家族の日常を守る大きな鍵となります。
如月建設の取り組み
如月建設では、すべての建物で構造計算(許容応力度計算)を実施し、耐震等級3を標準仕様としています。そのため、2025年4月の法改正が行われても設計に変更点はありません。
広々としたリビングや大きな窓など、デザインの自由度を維持しながら、安全性と快適性を両立した家づくりを続けています。
より安全で安心できる住まいを、これからもお届けしてまいります。
家づくりをご検討の際は、ぜひ如月建設にご相談ください!